高分子論文集
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一般論文
温度と pH に応答するジブロック共重合体の可逆的付加-開裂連鎖移動(RAFT)型ラジカル重合による合成
島田 善彦遊佐 真一山本 統平森島 洋太郎
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64 巻 (2007) 12 号 p. 922-928

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抄録

可逆的付加-開裂連鎖移動(RAFT)型のラジカル重合により温度変化と pH 変化の両方に応答する水溶性のブロック共重合体を合成した.温度応答性ブロックとして下限臨界溶液温度(LCST)を示すポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)を用いた.また,pH 応答性ブロックとしてポリ(アクリル酸)(PAA)を用いた.RAFT 重合で合成した PNIPAM を高分子型の連鎖移動剤として用いてアクリル酸(AA)を重合することで目的のブロック共重合体(PNIPAM-b-PAA)を合成した.AA の重合はリビング的に進行し,構造が制御されたブロック共重合体を合成できた.得られた PNIPAM-b-PAA は室温で pH 5 以上の水に溶解するが,温度を上昇させると曇点(Tcp)を示して沈殿を生じた.水溶液の pH が 5 より低い場合,Tcp の低下が観測された.酸性では PAA ブロックのカルボキシル基がプロトン化されてカルボン酸を生じる.このカルボン酸と PNIPAM ブロック側鎖のアミド基の水素結合のため,Tcp が低下したと考えられる.

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© 2007 公益社団法人 高分子学会
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