64 巻 (2007) 5 号 p. 294-300
ポリスチレン(PS)とメチルメタクリレート(MMA)の混合溶液を光重合,架橋することにより高分子相互侵入網目(Interpenetrating Polymer Networks ; IPNs)を合成した.その合成過程で誘発された相分離は光反応に伴い促進され,また反応によるモビリティーの低下で抑制される.すなわち最終的なモルホロジーは光重合,架橋反応と相分離の競合により決定される.光反応を巧みに操作し,相分離の動的過程を制御することを目的とし,時空間で光反応を操作できるコンピューター支援光照射法(Computer-Assisted Irradiation Method;以後 CAI 法と呼ぶ)を導入した.均一全面照射に対する MMA の重合反応は自己触媒的な挙動で進行し,光強度の増大にともない促進された.また,構造の特性長 ξ は,光強度の増大とともに大きくなる結果となった.空間変調光としてシングルストリップ(短冊形)パターンを照射し,光強度に依存した特性長を有する相分離構造を誘発でき,パターンを印字することができた.ストリップ幅を数百から数十ミクロンまで変化させると,発現する相分離構造の特性長は小さくなり,粗雑化した,光のストリップ内部に発現した相分離構造と,ストリップ幅との相関関係についても検討した.