3 種類のハードセグメント含有量のポリウレタン(PU)を合成し,スピンコーティング法により固体基板上に種々の膜厚の薄膜および超薄膜を調製した.フーリエ変換赤外吸収分光測定および X 線光電子分光測定より,PU 膜の膜厚が 10 nm 以下になると,分子鎖凝集構造が大きく変化することが明らかとなった.原子間力顕微鏡により,PU 膜のミクロ相分離構造を直接観察した結果,10 nm 程度以下の膜厚になると,ミクロ相分離サイズおよびドメイン間距離は減少した.視斜角入射小角 X 線散乱測定からも,このミクロ相分離のドメイン間距離が,膜厚とともに減少することを確認した.高分子固体膜において,ミクロ相分離サイズを薄膜の膜厚により制御できることを初めて明らかにした.