66 巻 (2009) 12 号 p. 619-626
本報では,メソゲンとしての 4,4′-ジヒドロキシビフェニルおよび,テレフタル酸ないしイソフタル酸とアルキル鎖長の異なるハロゲン化アルコールから主鎖型芳香族液晶ポリエステル(LCP)を合成し,スペーサーとしてのアルキル鎖長および芳香環周りの置換様式が相転移挙動に及ぼす影響の検討および,加熱せん断場における広角 X 線散乱(WAXS)測定による LCP の配向緩和挙動の検討を行った.LCP の融点や等方化温度にはスペーサーの炭素数による偶奇効果が見られ,テレフタル酸を含む LCP は奇数の場合に高い転移温度を示したのに対し,イソフタル酸を含む LCP は偶数の場合に高い転移温度を示した.せん断場における WAXS 測定では,高温になるほど LCP の配向緩和が促進される傾向がみられ,隣接する分子鎖間でのメソゲンのスタッキングが LCP の配向緩和挙動に影響を及ぼすことが示唆された.