抄録
多層カーボンナノチューブ(Multi Walled Carbon Nanotubes, MWCNT)は結晶構造および形態(長さ,長さ分布,直線性)が多種多様であり,それらの特徴に合った用途開発が期待されている.そのため,それら形態的特徴を評価する標準化手法が大切である.従来分散しやすい気相成長炭素繊維(Vapor Grown Carbon Fibers, VGCF)では長さ測定評価されているが,MWCNT では分散しにくく報告されていない.ここでは粉体状態で MWCNT と同じように塊の硬いカップ積層型カーボンナノチューブ(Cup-Stacked Carbon Nanotubes, CSCNT)を用い,分散はしつつも切断がおこらない条件を検討し,長さ測定,長さ分布評価を行った.またさまざまな曲線を有する MWCNT の直線率(Linearity Parameter, Lp)を,定性的な数値で評価する方法を提案し,形態についての評価手法を検討した.本研究で用いた CSCNT の形態は数平均長さ(Ln)4.8 μm,重量平均長さ(Lw)9.6 μm,長さ分布(Lw/Ln)2.0,直線率(Lp)0.93 であった.