66 巻 (2009) 9 号 p. 341-348
銅(I)-ビスオキサゾリン錯体を触媒として用いた 2 種類の 2-ナフトール誘導体間の選択的ラジカルカップリング反応である酸化クロスカップリング反応において,触媒量のルイス酸を添加することにより,より高度なクロスカップリング選択性および立体選択性の制御が可能であることを見いだした.たとえば,2-ナフトールと 3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸エステルの CuCl-Phbox 錯体を用いた酸化カップリング反応を Yb(OTf)3 存在下で行うことにより,クロスカップリング体のみが特異的に得られた.この新規な混合触媒系では,さまざまな銅-ジアミン錯体を触媒として用いることが可能である.また,この反応系を 6,6′-ビ-2-ナフトール誘導体あるいは 3,7-ジヒドロキシナフタレン-2-カルボン酸メチルをモノマーとして用いた単独重合,共重合へと応用することにより,クロスカップリングユニット比 99%以上,すなわち,ほぼ完全な head-to-tail 構造や交互共重合体構造からなるポリ(ビナフトール)の合成に成功した.