68 巻 (2011) 5 号 p. 281-288
遷移金属触媒を用いた炭素-窒素結合形成反応を重縮合反応に応用することで,ポリアニリン類縁体やトリアリールアミン骨格を有する高分子を簡便に得ることができる.種々の条件の中でも,Pd と組合せる配位子が重合の効率に強く影響を及ぼすため,目的とする高分子の構造に合わせて適切な配位子を選択することが重要である.これまでの検討から,二級アミン部位を有するポリアニリン類縁体の合成においては BINAP が適しており,三級アミンであるトリアリールアミン骨格を主鎖に有する高分子の合成においては PtBu3 が最適であることを見いだしている.一方で,炭素-リン結合形成反応も重縮合反応に応用することができ,主鎖にキレート型のリン配位子を導入した高分子を合成することができる.この高分子に Pd を導入することで薗頭-萩原反応などを進行させる担持触媒となり,再沈殿によって回収と再利用が可能であることを明らかにしている.