高分子論文集
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総説
デンドリマーとエレクトロニクス
アルブレヒト 建山元 公寿
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2012 年 69 巻 6 号 p. 251-259

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抄録

高分子系の半導体材料を使用すればウェットプロセスで大面積の有機エレクトロニクスデバイスを作成できると期待されているが,多層膜をウェットプロセスで構築することが困難なことからとくに有機ELデバイス分野では高効率化が課題となっている.その高分子材料の一つであるデンドリマー材料はユニークな構造によって通常のポリマーがもたない優れた機能デザイン性を有している.その特性を生かして表面に電荷輸送骨格を導入したものやコアに色素分子を導入した分子などがおもに有機ELの半導体材料として有機エレクトロニクス分野で注目を集めている.しかし,高分子材料の問題点である積層できないという問題点は抱えたままである.本総説ではデンドリマー系材料全般について解説するとともにデンドリマー材料の課題を克服できる可能性を秘めた金属集積能をもつフェニルアゾメチンデンドリマーと光架橋能をもつカルバゾールデンドリマーについてとくに詳細に解説する.

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© 2012 公益社団法人 高分子学会
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