抄録
カーボンナノチューブ(CNT)/ポリマーコンポジットによるハニカム構造膜作成に関し,CNT構造,ポリマー,溶媒の影響を明らかにした.CNT,CNT分散性ポリマーおよび両親媒性ポリマーからなる疎水性有機溶媒カーボンナノチューブ分散液を,高湿度下,基板にキャストすることにより,CNT/ポリマーコンポジットによるハニカム構造膜作成が可能であった.CNTは径の細い多層カーボンナノチューブ(MWNT),CNT分散性ポリマーはピレン骨格を有するCNT強親和性ポリマー,両親媒性ポリマーはアクリル酸–長鎖アクリレート共重合体を用いることで規則性の高いハニカム構造膜を得ることができた.また酸に対して敏感な官能基であるヘミアセタール部位をもつCNT分散性ポリマーを用いることにより,酸というトリガーを用いて簡便にポリマー分子構造を変化させ,その膜特性を向上させることが可能であった.