2015 年 72 巻 3 号 p. 104-109
熱可塑性エラストマーSIS (スチレン–イソプレンブロックコポリマー)を対称構造のSISと非対称構造のSIS′の混合物としたところ,これまでの接着材や粘着剤の用途に加えて,エラスティックフィルム用途にも利用できる応力と復元性に優れた材料となった.その物性発現機構を解明するため,透過型電子顕微鏡(TEM)と極小角・小角X線散乱法(USAXS, SAXS),SCF法による相分離シミュレーションを用いた構造解析を行った.その結果,サイズの異なる大小のSドメインがランダムに分布する相分離構造を有することがわかった.また,この相分離構造はマクロ相分離の影響を受け,プロセッシング条件によって大きな変化がみられることもわかった.