高分子論文集
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原著論文
2,5-ジケトピペラジンの自己組織化を用いた抗菌性表面の設計
中塚 恵理柿木 佐知朗平野 義明
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2018 年 75 巻 2 号 p. 187-194

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抄録

本研究では,バチルス菌種N系(CP001407)の培養上清からの抽出物として発見された抗菌活性を示すジケトピペラジン(DKP)であるCyclic(D-Tyr-D-Phe)に注目し,ガラスならびにSUS316L表面にDKPの自己組織化膜を構築,抗菌活性表面を設計した.その後E. coli (グラム陰性菌)およびB. subtilis (グラム陽性菌)を使用し,材料表面の抗菌活性試験を行った.また,マウス線維芽細胞(L929細胞)を用いて細胞毒性の評価を行った.その結果,Cyclic(D-Tyr-D-Phe)の自己組織化膜をAFMを用いて観察したところ,ロッド状のナノ構造体を形成していることが明らかになった.自己組織化層を構築した表面では,未処理の表面よりもE. coliおよびB. subtilisに対して抗菌活性を示すことが明らかになった.また,Cyclic(D-Tyr-D-Phe)は細胞毒性ももたないことが合わせて明らかになり,抗菌活性をもつ金属バイオマテリアル表面の構築の可能性を有している.

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© 2018 公益社団法人 高分子学会
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