2018 年 75 巻 2 号 p. 232-239
竹繊維を含む竹粉末(BP)とポリプロピレン(PP)複合体の難燃化と機械的物性の両立を目的として,BP/PP複合体に各種難燃剤を添加し,それらの難燃性と機械的特性について検討した.その結果,BP/PP (50:50 wt/wt)に対して膨張性黒鉛(EG)を10~30 wt%添加することでUL-94規格V-0~V-1という高い難燃性が見いだされた.さらに,BPとPP,EG間の界面接着性を高めるため,BP/PP/EG (40:40:20 wt/wt/wt)複合体に,相溶化剤として無水マレイン酸変性ポリプロピレン(MAPP)を1 wt%添加することで,優れた難燃性を損なうことなく,複合体の機械的強度が,PP単独に比べて,引張弾性率,曲げ強度,および曲げ弾性率でそれぞれ209%,104%,および146%向上した.これらの結果から,難燃性と機械的物性が両立するBP/PP難燃性複合体が作製された.