高分子論文集
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原著論文
近赤外光照射による生体親和性ポリマーミセル中のシアニン色素の発熱挙動
白木 啓太石原 一彦遊佐 真一
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2019 年 76 巻 1 号 p. 52-60

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抄録

水溶性で生体親和性のポリ(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン) (PMPC)ブロックと,疎水性のポリ(n-ブチルメタクリレート) (PBMA)ブロックからなる両親媒性ジブロック共重合体(PMPC-PBMA)を可逆的付加–開裂連鎖移動(RAFT)型ラジカル重合法で合成した.PMPCとPBMAの重合度は,それぞれ95と181量体だった.電子顕微鏡でPMPC-PBMAは,水中で楕円状のコア–シェル型ミセルを形成することを確認した.このミセルの疎水性コア中に,近赤外光(NIR)を吸収する疎水性シアニン色素(Cyd)を取り込ませ,水に可溶化できた.動的光散乱で求めたCydを取り込んだ楕円状ミセルの流体力学的半径は103 nmだった.Cydを取り込んだミセルの水溶液にNIRを照射すると,Cydの光熱変換による発熱挙動が観測された.Cydを取り込んだ生体適合性ミセルは光熱療法に応用できると期待される.

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© 2019 公益社団法人 高分子学会
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