2019 年 76 巻 4 号 p. 335-340
交互ラメラ構造を形成するポリスチレン–ポリ(1,4付加richイソプレン)二元ブロック共重合体に,ドメインサイズと比べ,大きな粒径をもつジビニルベンゼン架橋粒子を添加することによるラメラ状ミクロ相分離構造への影響を調べた.トルエン溶液中における粒子の分散性が低いために,添加した粒子のほとんどはブロック共重合体のミクロドメイン中に分散せず,溶媒キャスト膜の下方に局在した.溶媒キャストにより作り出されたラメラ層は,膜表面に対して平行な方向に優先的に配向した.その配向度は,粒子の添加量が少ない場合は低下したが,添加量が増えるとブロック共重合体単独と同程度にまで回復した.粒子の添加によって配向度が低下すると,ラメラ構造のドメインサイズは高い値を示す傾向にあった.また,添加された粒子が大きい方が,粒子添加に伴うラメラ構造の配向度が低いにもかかわらず,ドメインサイズは低い値を示した.