高分子化學
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高温におけるポリビニルアルコールの挙動
第1報X線広角干渉による研究
桜田 一郎温品 恭彦折戸 善一
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16 巻 (1959) 174 号 p. 587-592

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抄録

著者らは, 高分子を室温から400℃までの任意の温度状態に保持したままX線図的に計数管によって測定可能な1つの恒温槽を試作した。本装置を利用して, まず典型的な結晶性高分子であるボリビニルアルコールに着目し, 広角干渉強度曲線の測定によって高温における挙動を研究し, 次のような事実を見出した。1度熱処理を受けたPVAフィラメントの結晶格子は, 室温から210℃に加熱することにより拡大される。たとえば (100) の面間隔は7.80Aから8.04Aまで増加する。結晶性干渉の強度は室温から180℃までは一定であり210℃ でいくぶん減少する。あらかじめ熱処理しない試料においては, 熱処理効果と, 格子の熱膨張効果の両者が現われる。結晶性干渉の強度は室温から200℃ まで増大する。PVAは230℃ で溶融し, 液体の図を与える。270℃ まで加熱したものは室温に冷却すると典型的なPVAの結晶性X線図を与えるが, 290℃ 以上に加熱した試料は室温まで冷却しても液体の図しか与えない。この場合には酸化, 熱分解などの化学変化が顕著に起ったものと思われる。

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