22 巻 (1965) 248 号 p. 804-807
数種の高分子スルホン酸触媒によるアミノ安息香酸エチルのケン化を行なった。パラアミノ安息香酸エチルのケン化に対して, ポリスチレンスルホン酸 (PSS), およびポリビニルスルホン酸 (PVS) は塩酸よりも明らかに有効な触媒であるが, ポリビニルアルコール部分ブチラールスルホン酸 (PVBS) の触媒効果は塩酸と同程度であった。PSS, およびPVSの触媒効果は食塩の添加により明らかに低下した。オルトアミノ安息香酸エチルのケン化に対して, PSS, およびPVSはパラアミノ安息香酸エチルの場合と大差ない触媒効果を示したが, PVBSは前2者以上に有効な触媒であった。比較のため, 若干の低分子スルホン酸の触媒作用も調べたが, その作用は塩酸とほぼ同じであった。さらにこれらの触媒とエステルの混合溶液の紫外吸収スペクトル, およびpHを測定し, 高分子スルホン酸によるアミノ安息香酸エチルのケン化機構について考察した。