23 巻 (1966) 256 号 p. 620-624
ナイロン6繊維へのスチレンの非増感光グラフト重合を, 空気の存在下で, 同時照射法により行ない, この重合で特に重要な光源, 有効波長および光強度について検討した。照射は, 石英反応管を用い, メタノールを共存させ, 25℃ で行なった。その結果, 直射日光と300mμ 以上の光だけを出す高圧水銀ランプのとき, 重合は非常に順調に, 効率良く進行した。後者の場合, グラフト速度は光強度の1/2乗に比例した。低圧水銀ランプでは重合が起こらず, タングステンランプのとき, 長い誘導期に続いて重合がよく起こった。各種のフィルター透過光で重合した結果, 300-380mμ の紫外線がグラフト重合を誘起し, 300mμ 以下の紫外線は重合を抑制することがわかった。これらの実験より, ナイロン6, およびスチレンの光励起だけでグラフト重合が容易に開始されることを明らかにした。