24 巻 (1967) 270 号 p. 655-661
t-ブチルプロペニルエーテル (tBPE) (シス体) のBF3・O (C2H5) 2によるカチオン重合性が, t-ブチルビニルエーテル (tBVE) と比較された。tBPEの単独重合は可能であるが, tBVEに比して反応速度も生成ポリマーの分子量も小であった。また, tBPEとtBVEの共重合においても, tBPEの反応性は小であった。これらの結果より, n-アルキルプロペニルエーテルではβ-メチル基は反応性を増すのに対して, t-ブトキシ基のように枝分れしたかさ高い置換基を有する場合は, β-メチル基の立体障害が存在し重合性が低下することが明らかとなった。tBPEはトルエン中の重合では結晶性ポリマーを生成するが, 極性溶媒である塩化メチレン中では無定形ポリマーを生じるのみであった。これらポリマーは無水酢酸と塩化亜鉛でアセチル化し, ポリ- (β-メチル酢酸ビニル) (PMVAc) を得ることができた。しかし, PMVAcのケン化で純粋なポリ- (β-メチルビニルアルコール) は得られなかった。