27 巻 (1970) 305 号 p. 617-627
ジエン系不飽和ゴムをスチレン-アクリロニトリルの混合モノマー中に溶解させ, 有機溶媒の存在下でグラフト重合を行なった。重合過程でおこる相反転現象の発現機構を解析するとともに, ゴムの粒子形成とせん断条件の関係について比較検討した。相反転は原則として2相の相容積比が一定値になっ重合率で起こる。また, ゴム-樹脂2相系溶液の30℃における相容積比 (ψ) を測定して次式を得た。
φ=A [R] 1.072φ-1.083, A=ea [R] b [S]
ここで [R], [S] およびφは, 各々ゴム, 有機溶媒およびポリスチレン-アクリロニトリルの濃度で, a, bは溶媒によってきまる定数である。分散ゴム粒子の粒怪はせん断条件によって異なるが, 特に, 有機溶媒濃度が増加するにつれてゴムの粒子安定性が低下し再凝集がおこること, およびせん断が強すぎる場合やはりゴム粒子の再凝集による粒径肥大の認められることなどが注目される。