高分子化學
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高分子複合皮膜の水蒸気透過性
滝沢 章谷岡 明彦
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28 巻 (1971) 309 号 p. 24-30

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抄録

高分子複合皮膜の透過性に対する成分皮膜の寄与を解明するために, 親水性高分子たるセロハンおよび疎水性高分子であるポリエチレンフィルムを用い, まずそれぞれ単一成分の水蒸気透過挙動を調べ, 次にそれらをはり合わせた複合皮膜について, 透過方向をかえた実験を含めて水蒸気透過性を検討した。セロハン単独皮膜の透過係数P, 拡散係数Dはともに入側の水蒸気圧力とともに増加するが, これにはフィルム中の水蒸気濃度の増加による自由容積の増大に伴う拡散係数の増加と, 分子の会合 (クラスタリンダ) による拡散係数の低下が組み合わさって作用する。ポリエチレン単独皮膜のPおよびDは, 水蒸気圧力によってほとんど変化しない。セロハン-ポリエチレン複合皮膜で, セロハン側から水蒸気を透過せしめる場合は, 相対蒸気圧0.6以下の低圧側でポリエチレン単独皮膜よりもかえって透過性が大となる結果が得られ, これは, セロハン-ポリエチレン境界面付近でほぼ水の分配則がなりたつものとして説明される。ポリエチレン-セロハン複合膜でポリエチレン側から水蒸気を透過せしめる場合, 透過性は方向が逆の場合に比べて著しく低下し, 定常状態の達成もおそくなる結果が得られ, 透過の方向が透過性に大きく影響することを明らかにした。

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