高分子論文集
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ポリ塩化ビニルのハイドロボレーションと生成体の熱安定性
森川 洸天野 高男
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32 巻 (1975) 5 号 p. 280-287

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抄録

ポリ塩化ビニルの窒素中熱分解体 [d (N) -PVC] および酸素中熱分解体 [d (O) -PVC] とジボランとの反応生成物の構造と熱安定性を検討した. d (N) -PVCはTHF溶液状態および粉末状態でジボランによりハイドロボレーションされる. 粉末状態において, 粒子内部までハイドロボレーションされるのは, 表面に生成した構造-BH2がPVC鎖上を自由に移動して粒子内部へはいり込むことに基づくものと考えられる. この反応体は真空中での分解において未分解PVCより安定である. この安定化機構は, >CH-BH2自身およびこれから脱離したボランが, 熱分解により生じた二重結合に付加することによる二重結合の共役化の抑制などに基づくものと結論した. d (O) -PVCとジボランとの反応においては, THF溶液状態ではハイドロボレーションとともにカルボニル基の還元が起こる. しかし粉末状態ではハイドロボレーションは起こらず, 粒子表面で還元反応が起こる. これは粒子表面に濃度の高いカルボニル基がジボランと反応して>CH-O-BH2を生成するが, この>CH-O-BH2は熱に対し安定で内部へ移動できないことによるものと思われる. またこの反応体の熱に対する安定化機構にっいても検討した.

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© 社団法人 高分子学会
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