33 巻 (1976) 4 号 p. 171-182
せん断応力下で結晶化した極めて薄いポリエチレン膜とポリエチレン・インフレーション・フィルムを電顕, 偏光顕微鏡観察した. せん断あるいは伸長応力下で結晶化したポリエチレン膜の結晶高次構造としてRod構造モデルを提案する. 前記の膜中では, 異なる直径をもつ多くのRodが応力方向に平行に並んでいるものとする. Rodはその中心軸に対して軸対称に積層したねじれたラメラ晶から構成されている. 種々の直径のモデル構造の与える結晶軸配向分布の極点図を計算によって求めた. a, b, c軸の極点図の計算結果は, 実験で得られた低密度ポリエチレン・インフレーション・フィルムのX線極点図と良い一致を示す. 更にモデル構造の与える複屈折値を計算により求めた. それらの値はラメラ晶のねじれ成長量によって周期的に振動する. フィルムの複屈折はRodの直径とその分布により複雑に変化する.