ポリエチレン・インフレーション・フィルム成形過程における結晶軸優先配向機構について考察した. 既報のRod構造をもとに, Rodを構成するラメラ晶の成長量を変えることにより, 結晶化進行に伴う結晶a, c軸の配向分布変化を計算した. 成形方向への優先配向は, 成形方向に直角な面内でねじれながら成長するラメラ晶の成長に伴ってc軸配向からa軸配向に連続的に変化した. 核発生密度はラメラ晶の成長量を規制する. また, メルト表面に直角な方向にある温度こう配もラメラ晶の成長異方性を生む. これらの効果は成形方向に直角な面内におけるb軸の優先配向方向を決める原因となる. ポリエチレン・インフレーション・フィルムには溶融紡糸フィラメントと同様にスキン層が存在する. X線極点図はスキン層の結晶軸配向度が内部層より高いことを示している. 断面形状の異なるRod集合体のモデル計算による極点図はポリエチレン・インフレーション・フィルムの種々のX線極点図と一致した.