34 巻 (1977) 3 号 p. 217-224
種々の条件下で厚さ15μのシンジオ-1,2-ボリブタジエンフィルムを空気中でγ線照射し, ラィルム重量およびIRスペクトルの変化を検討した. フィルムの重量は誘導期閥を経て線量とともにほぼ直線的に増加した. IRスペクトルの変化は, 主としてビニル基の減少とOH基およびC=O基の生成であった. OH基はアルコールおよびハイドロパーオキサイド, C=O基は不飽和ケトン, 酸, 飽和ケトン, アルデヒド, エステルおよび過酸のうち主として飽和ケトンからそれぞれ成ることが分かった. 酸化反応の初期では, 重量増加速度およびOH基, C=O基の生成速度はいずれも線量率のほぼ1/2乗に比例した. また, これらの速度は温度とともに増大し, 見掛けの活性化エネルギーはいずれも5~6kcal/molであった. さらに, 30℃で照射して得られたフィルムを空気中に放置すると, 後反応が徐々に進行することが分かった. これらの結果に基づいて, 環化橋かけ反応に伴う連鎖的な酸化反応の機構を考察した.