34 巻 (1977) 7 号 p. 515-520
ポリ (フッ化ビニリデン) (PVdF) の放射線橋かけに対するトリメリット酸トリアリル (TATM) の添加効果と橋かけしたPVdFの機械的性質を検討した. このため, TATM存在下で電子線照射されたPVdFのゲル分率と膨潤比, さらに室温と100, 150, 180℃における応力-ひずみ曲線を求め, 次の結果を得た. TATMはPVdFの放射線橋かけに対して著しい促進効果を示した. しかし, TATMの添加量が5%と10%で, ゲル分率に大きな差は認められなかった. 一方, 膨澗比および応力-ひずみ曲線は, TATMの添加量が多いほど橋かけ密度が高くなることを示した. 橋かけ密度の高まりとともに頭著に変化する機械的性質は, 降伏点応力の増加と破断点伸びの減少であった. TATMによる橋かけの効果は, PVdFの融点に近い180℃における100%モジュラスにおいて顕著であった.