ポリカプロラクタムの減圧下溶融加熱時顕著に起こるゲル化の反応について研究した. 劣化ポリマーは水浸せき処理により橋かけ点の切断が起こり, 劣化反応初期段階で生成したゲルが溶媒に可溶となることを発見し, この水浸せき処理前後でのポリマーの溶液粘度から, 橋かけ前後の分子量と橋かけ点数を推定し, ゲル化反応過程中の定量的な検討を行った. 劣化反応中増加する塩基性基を正規の末端アミノ基SAとそれ以外の塩基性基SBに分け, 先の橋かけ点切断後のベースポリマー当たりのSB量を橋かけ度βとすると, βが0.85~1.0に増加した時ゲルが発生することが分かったが, これはゲル化の理論にほぼ合致するものである. SAとSBおよび橋かけ点の増加速度とこれらの生成の見掛けの活性化エネルギーからゲル生成は主に (1) 脱炭酸によるカルボニルの生成, (2) 平衡反応からアミド基の加水分解による末端基の生成, (3) カルボニルとアミノ基のシッフ塩基生成, が主反応として含まれる反応機構によると推定した.