高密度ポリエチレンを高温で圧延した場合のX線図は (100) 面が膜面に面配向した微結晶の二重配向を示した. この皮膜を室温で更に最初の圧延方向に直角に圧延すると, 分子鎖の軸配向方向は変わらず, 2度目の圧延の初期には準安定なII型結晶相による最も強い回折が (110) 面による回折の内側に観測された. 2度目の圧延を高度に行うと, (110) 面はほぼ膜面に面配向し, II型による最も強い回折は膜面方向にのみ観察されるようになった. これらの結果から, 圧延によるすべり面, {110}, に炭素-炭素のジグザグ面が相互に平行に配置することによってII型の結晶相が形成されると結論される. 膜面に面配向したII型の結晶相は熱処理で (110) 面配向した通常の結晶に相転移するが, これはII型結晶相の分子鎖の半分が約90度回転することで説明できるであろう.