ヒドロゲルは生体との親和性が良好であるが, 機械的性質が劣るため使用範囲が限定される場合が多い. 本研究では親水性と疎水性のブロック鎖から成る共重合体を合成し, そのヒドロゲル膜の性質につき検討した. ブロック共重合体は, 2-ヒドロキシエチルメタクリラート (HEMA) または酢酸ビニルと末端に重合可能な二重結合を有する反応性ポリスチレンとを共重合して得た. 酢酸ビニルを用いた場合には, 共重合後に加水分解を行い親水性部としてポリビニルアルコール (PVA) を有する共重合体を得た. これらの膜はPHEMAあるいはPVAが海相, ポリスチレンが島相を形成するミクロ相分離構造を有し, 島相の直径は実験範囲内で200~300Åであった. この共重合体から成るヒドロゲル膜は, 島相が橋かけ点及び充てん剤と同様の効果を示すことにより優れた機械的性質が得られた. さらに, このヒドロゲル膜はin vitroの抗凝血性試験において, 優れた抗凝血性を示した.