44 巻 (1987) 11 号 p. 811-816
テトラメチルスズ (TMT) を出発材料としたグロー放電分解法により, プラズマ薄膜を作製し, その化学構造と導電率に対するプラズマアニール効果を調べた. 膜の化学構造はX線光電子分光法 (XPS), フーリエ変換赤外分光計 (FT-IR), 反射電子線回折 (RED) を用いて分析した, 成膜直後のTMTプラズマ重合膜はSn, O, C, 及びHを含有した非晶質薄膜であった. この膜をN2ブラズマアニールすると膜のO/Sn比は増加したがC/Sn比, 結晶構造には顕著な変化は認められなかった. 一方, Arプラズマァニールにより, O/Sn比の増加とC/Sn比の減少が認められ, 結晶化が進行した. 室温導電率は成膜直後の膜DS1.2×10-9 (Ohm-1cm-1), N2ブラズマアニール後が3.1×10-5 (Ohm-1cm-1), Arプラズマアニール後が2.4×101 (0hm-1cm-1) と見積られ, Arプラズマアニールにより約9桁の導電率の向上が認められた.