46 巻 (1989) 3 号 p. 125-130
高分子有機溶剤溶液の不溶性媒体に対する界面張力を測定することは溶液からの界面への高分子の吸着挙動を解明するために有効である. 異なるアルキル側鎖長をもつポリビニルアルキレート (PVAI) の3種の溶剤溶液について, それらの水に対する界面張力 (γW/S) を静滴法を用いて, 種々の温度で測定した. PVAIのシクロヘキサン及びクロロベンゼン溶液と水とのγW/Sは側鎖長 (m) の増加とともに増加した. トルエン溶液の場合, m<4の範囲で, γW/Sはmとともに増加し, C4の極大の後, γW/Sは減少に転じ, C10の極小を通過した後, 再び増加した. γW/SへのPVAIの極性 (表面張力の極性成分の全表面張力に対する比, xP=γP/γ) とPVAIと溶剤との溶解度パラメーターの差 (Δδ=|δS-δP|) の影響も検討した. xPとΔδが共にmとともに減少するときは, γW/Sは単調に増加した. mとともにxPが温少しΔδが増加するときは, Δδ<0.5の範囲では, ΔδがγW/Sに支配的な影響を及ぼし, Δδ>0.5の範囲ではxPが支配的になる. γW/SとxP・Δδ2との関係はそれぞれの溶剤について, 一つの曲線で表すことができた.