高分子論文集
Online ISSN : 1881-5685
Print ISSN : 0386-2186
ISSN-L : 0386-2186
ポリオレフィンへのビニルポリマーのグラフト化反応と得られたグラフトコポリマーの応用
鈴木 信吉杉浦 基之後藤 浩山本 隆
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 47 巻 1 号 p. 63-71

詳細
抄録
低密度ポリエチレン (LDPE), ポリプロピレン (PP), エチレンーアクリル酸エチル共重合体 (EEA), エチレンー酢酸ビニル共重合体 (EVA), エチレンープロピレンージエン共重合体 (EPDM) などのポリオレフィンペレット70重量部の水縣濁液に, ビニルモノマー30部, 及び分子内にO-O結合を有するペルオキシドモノマー (t-ブチルペルオキシ-メタクリロイロキシエチルカルポナート, HE・PO) 0.9部を加え, 加熱してこれらのモノマーをポリオレフィンに含浸させ, 続いてラジカル開始剤を加えてポリオレフィン中で重合を行ってO-O結合をペンダントに持っビニルポリマーを含むポリオレフィン (含浸重合体) を得た. このものを溶融混練してreactive processingを行い, ポリオレフィン-graft-ビニルポリマーを得た. これらのグラフトコポリマーについて溶剤分別を行ってグラフト効率を算出したところ, それぞれ, 33, 59, 50, 46, 56であった. 得られたグラフトコポリマーは両成分のブレンドより破断時伸びが大きく, 電子顕微鏡による観察の結果, ポリオレフィンマトリックス中のビニルポリマーの分散粒径は小さく, さらに界面接着が強いことがわかった.
著者関連情報
© 社団法人 高分子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top