47 巻 (1990) 4 号 p. 269-276
スチレン-ブタジエンブロック共重合体 (SBS) をポリスチレン (PSt) またはポリアクリル酸n-ブチル (PBA) マクロモノマーによりグラフト化し, それらのグラフト鎖の分子量及びその数と諸物性との関連について検討した. グラフト化物のオゾン分解により単離されたグラフト鎖の分子量及び未反応のマクロモノマーの分子量は, 用いたマクロモノマーの分子量と一致したことから, マクロモノマーは単独重合せず, 1分子がSBSにグラフトしていることがわかった. PStマクロモノマーによる改質物の引張強さは, グラフト鎖の分子量が6000ではグラフト鎖の数が0.1~0.2個で極大を示し, SBSとPStマクロモノマーのブレンド物より高くなった. 300%引張応力はグラフト鎖の分子量の相違による差はほとんどなく, グラフト鎖の数が多くなるとともに高くなった. 動的粘弾性挙動におけるPStセグメントに基づくtanδのピーク温度から, PStマクロモノマーによる改質物ではグラフト鎖の分子量が大きくなるとともに耐熱性が良好となり, SBSに比べて5~16℃向上することがわかった. PBAマクロモノマーによる改質物ではグラフト鎖の分子量が6000で引張物性はSBSとPBAマクロモノマーのブレンド物より大きく低下し, 柔軟性が付与された.