48 巻 (1991) 3 号 p. 163-169
合成ポリマーフィルムにミクロボイドを導入する一つの方法として, デンプンを分散して作製したメチルメタクリレート-2-エチルヘキシルアクリレート (MMA-EHA) コポリマーフィルムのアミラーゼ処理を検討した. フィルム中の0.28~0.44g/gの米デンプンの38~71%がグルコアミラーゼ処理により消化・除去されたが, α-アミラーゼによる除去率は32%以下であった. 一方, 可溶性デンプン含有フィルムの場合には, グルコアミラーゼまたはα-アミラーゼのいずれによっても, 全デンプンの75~78%が消化された. この酵素処理前後におけるデンプン含有フィルムの比容積測定により, 合計0.006~0.030cm3/gのミクロボイドが, MMA-EHAコポリマーフィルム内へ導入されたことを認めた. 導入されたこのミクロボイドは, 高湿度条件では毛細管凝縮により著量の水分を保持することを認めた. また, ミクロボイドの導入がフィルムの透湿性を顕著に高めることを認めた.