高分子論文集
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脂質添加による微生物産生ポリエステルの可塑化と酵素分解性
石川 健次川口 靖土肥 義治
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48 巻 (1991) 4 号 p. 221-226

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抄録

ある種のアシルグリセロールは微生物産生ポリ (3-ヒドロキシブチレート) (PHB) の優れた可塑剤として作用し, PHBのガラス転移温度 (Tg) を低下させ, 破断伸びを増加させた. 可塑剤として働く脂質は, アルキル鎖長の短い (炭素数5以下) トリアシルグリセロールやアルキル鎖長の長い (炭素数17程度) モノアシルグリセロールであった. 特に, グリセロールトリアセテートは優れた可塑剤であり, PHBに30wt%混合すると, ヤング率を1620MPaから280MPaまで低下させ, 破断伸びをS%から130%まで増加させた. その時, 脂質はPHBと相容し, 非晶部のPHB分子鎖の運動性を上げることを固体13C NMR解析によって確認した. また, 脂質を含むPHBフィルムの酵素分解性は, その脂質がPHBに相容するか, 水に可溶かという脂質の性質に影響されることがわかった. このように脂質の添加によって硬くて脆いPHBの物性が改善された.

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© 社団法人 高分子学会
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