49 巻 (1992) 7 号 p. 625-633
ポリ (1, 4-ブチレンテレフタレート) (以下PBTと略す) とε-カプロラクトン (以下ε-CLと略す) より合成されるブロック共重合体の分子量及びブロック長に及ぼす原料PBTの分子量の影響について調べた. 原料PBTの粘度を高くするほど, 得られる共重合体の還元粘度ηsq/cは高くなった. PBT末端基数より求めた数平均分子量Mnと還元粘度ηsq/cの間には相関関係が認められた. ブロック共重合体のハードセグメントとソフトセグメントの間で起こるエステル交換反応の反応速度は, PBTの粘度を高くするほど, 低くなった. PBTとε-CLの仕込重量比が同じでPBTの粘度を高くすると, ハードセグメントの平均連鎖長及びソフトセグメントの平均連鎖長とも長くなった. PBTの粘度とブロック共重合体の融点, 結晶化温度の関係を見ると, PBTの粘度が高いほど, 融点及び結晶化温度は共に高くなる傾向を示した. ブロック共重合体の引張り強度及び引裂き強度は, PBTの粘度が高いほど高くなり, 引張り破断伸度は低くなった. ブロック共重合体の硬度及び弾性率は, PBTの還元粘度ηsq/c=0.887~1.273の間では, PBTの粘度の影響を示さなかった.