高分子論文集
Online ISSN : 1881-5685
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絹を用いるべっ甲代替素材の開発
べっ甲とホットプレスフィプロインの熱特性と力学物性
細川 純遠藤 貴士西山 昌史森田 孝男舟橋 宗夫
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50 巻 (1993) 12 号 p. 929-934

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抄録

天然タイマイ甲の代替材を絹タンパクを用いて開発することを試み, タイマイ甲やホットプレス成形したフィプロインパウダーのDSC, 熱機械特性 (TMA), 曲げ強度などを調べた. その結果, 熱圧処理した含水タイマイ甲では30℃付近から軟化が始まり, 80℃付近から急激に軟化が進むことがTMA測定から分かった. このタイマイ甲のDSCの吸熱ピーク位置は45℃付近と, 70℃前後に存在した. また, 溶融板を作るためのフィブロインパウダーのホットプレス成形条件を検討し, 最適な水分含有率, 圧力, 温度, 処理時間はそれぞれ27%, 450kg/cm2, 160℃, 1分間であることが分かった. この条件で作成した溶融成形板はタイマイ甲と比較して, ほぼ同等の硬度 (ビッカース硬度約30) が得られた. しかし溶融成形板は, 風乾および含水加熱状態での曲げ強さが不足し, 透明度も低かった. これは, このフィブロインパウダーがホットプレスで完全には溶融していないことと, 溶融成形板がタイマイ甲のような多層構造をしていないためと推定した.

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© 社団法人 高分子学会
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