51 巻 (1994) 1 号 p. 59-67
1, 3, 3-トリメチルースピロ (インドリン-2, 3′ [3H] -9′-ヒドロキシナフト [2, 1-b] [1, 4] オキサジン (TM-H-SNO) とグリシジルメタクリレート共重合体 (GMA) との反応を行い, 反応物のフォトクロミズムを検討した. 反応はN. N′-ジメチルホルムアミド (DMF) 中で, 塩化ベンジルトリメチルアンモニウム触媒を用い, GMAのエポキシ基197mmol/1に対して, TM-H-SNO 19.7 mmol/1の濃度比にて, 57~75℃の温度で行い, 精製後, NMRスペクトルによって確認定量した. 反応速度は一次式に従い, その活性化エネルギーは約25kcal/molであった. 反応率が高いキャストフィルムでは, UV未照射時には550nm以下の吸収が増大し, UV 1min照射時には約606nmに出現する極大吸収の吸光度は反応量と比例しなかった. UV 5min照射では, キャスト溶媒によって約568nmまたは606nmに極大吸収が出現し, その吸光度は1min照射時より増大した. この現象は反応TM-H-SNOの高分子鎖間での拘束状態 (異性体) の相違のためと推定して, 加熱架橋および溶媒膨潤等の観点から考察した.