メタクリル酸メチル (MMA) に難溶な無水安息香酸銅 (CB) はメタクリル酸 (MAAc) の共存下においてその溶解性が向上する. CBはMMA中では2量体構造をとるが, 2量体CBの二つのアピカル位にMAAcが1個ずつ配位することがわかった. このMAAcの配位によりCBのMMAへの親和性が増大し, 可溶化したと考えられる. MAAcを配位させたCBと高分子マトリックス形成用のモノマーとを共重合させることによって, 銅を含有する透明なプラスチック製近赤外線カットフィルターが得られた. このフィルターは, 厚さ0.5mmの薄さでも600~800nmの範囲で透過率がほぼ0%の近赤外線カット性を示した.