51 巻 (1994) 8 号 p. 530-539
表面未処理の2種類の麻短繊維 (ラミー繊維およびリネン繊維) とカルボキシル化アクリロニトリルブタジエンゴム (c-NBR) を混練によって複合化し, その補強効果について検討した. このうちラミー繊維は, c-NBRとのバンパリーミキサーによる混練中に強いせん断力を受けてフィブリル化し, 複合体の補強効果を増大させた. 一方, リネン繊維は, 混練によって繊維長が短く切断され, その両切断端だけがフィブリル化するに留まり, ラミー繊維の複合体ほど補強効果が認められなかった. また, あらかじめフィブリル化処理を施したラミーおよびリネン繊維の複合体は, いずれも前記の混練時にフィブリル化させた複合体よりもその補強効果に劣ることを認めた. これらの結果より, 混練時において容易にフィブリル化するラミー繊維は, 混練中にメカノケミカル反応を生じてその比表面積が増すとともに表面活性となり, マトリックスゴムとの間に相互作用の増大することを明らかにした.