高分子論文集
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遷移状態類似体鋳型高分子触媒の分子設計. アミノ酸エステル基質認識加水分解反応
大久保 捷敏船越 義郎浦田 泰男広田 尚吾臼井 聡佐川 尚吉永 耕二
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1995 年 52 巻 10 号 p. 644-649

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抄録

一つの標的アミノ酸エステル基質Z-L-Leu-PNP (PNP=p-ニトロフェノール) を極めて効率よく加水分解する高分子触媒を分子設計するため, 反応の遷移状態類似体Z-Leu-PP (フェニル1-ベンジルオキシカルボニルアミノ-3-メチルペンチルホスホナート) あるいは基底状態類似体Z-L-Leu-AA (エチルN-ベンジルオキシカルボニル-L-ロイシンアントラニラート) を鋳型分子として合成した. これら鋳型分子の形状をL-ヒスチジン触媒部位と相互作用させながら記録した, 各種水溶性・難水溶性ラジカル重合高分子触媒は, 10 vol%ジメチルスルホキシド (DMSO) -Tris緩衝液 (pH 7.15) 中, 293~308Kでのアミノ酸エステルの加水分解反応において, 標的基質を反応キャビティーに効率良く取り込み, 特に最大活性化エントロピーを示す4級アンモニウム鎖導入型水溶性高分子触媒は, 無触媒反応の活性化自由エネルギーを7.0 kcal/mol低下させ, 著しい反応促進力を呈示した.

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