53 巻 (1996) 1 号 p. 20-32
高分子多糖類の熱分解や燃焼挙動を明らかにするためのモデルとして, グルコース, セロビオース, マルトースに加えてマルトースの同族体である重合度3~7に相当する線状オリゴマーならびに重合度6~8に相当する環状オリゴマーを用いて, キューリーポイントパイロライザーを直結した熱分解ガスクロマトグラフィーにより熱分解挙動を追跡した. 熱分解に際しては熱分解と同時に熱分解生成物の誘導化を図る熱分解メチル化法を併用し, 熱分解挙動の追跡を容易にした. 423℃の熱分解により同じ重合度の線状オリゴ糖と環状オリゴ糖を比較すると通常の熱分解法ではほとんど同じ特徴ピークが検出されるのに対して, 熱分解同時メチル化法では著しい相違が見いだされた. α-シクロデキストリンの熱分解同時メチル化ではレポグルコサンの生成が抑制される代わりにレボグルコサンの2, 3, 4位の-OHが-OCH3基で置換された3種のフラグメントが検出された.