53 巻 (1996) 10 号 p. 628-635
非晶性高分子について, 分子動力学シミュレーションを行い, ガラス転移温度および局所構造について研究した. ポリエチレンおよびn-アルカンのガラス転移温度をシミュレーションにおいて熱膨張係数が変化する点で求め, 分子量依存性を検討した. 結合の再配向運動の時間相関関数と角度分布関数を求め, 局所運動について調べた. ポリエチレン分子は異方的な局所運動を有し, パイプの中を動いていくような運動であることが分かった. アタクチックポリスチレンのシミュレーション結果から, X線回折と中性子散乱パターンを計算し, 実験と比較した. シミュレーションは実験結果とよく一致した. さらに動径分布関数や配向関数を求め, 局所構造に関する知見を得た.