Convergent法を利用して, ポルフィリンをコアとする空間形態が規制された一連のデンドリマーポルフィリン錯体を分子設計した. 大きなデンドリマー組織に内包された鉄ポルフィリン錯体はヘモグロビンやミオグロビンのように, 酸素分子を可逆的に吸脱着し, 水が存在しても, 酸素捕捉錯体は極めて長寿命であった. また, 一酸化炭素中においてもカルボニル化を受けにくく, 50時間という長い半減期を示した. チトクロムcモデルとして分子設計したアニオン性表面を有する水溶性デンドリマー亜鉛ポルフィリン錯体は, 水中においてメチルビオロゲンのようなカチオン性電子受容体を表面に捕捉し, 空間的に分離した電子供与体-受容体系超分子錯体を形成した. これを光励起すると, 2.6×109s-1の速度定数でデンドリマー組織を通した長距離光誘起電子移動が起こった.