組織再建術におけるスキャホールドの特性としては, 細胞との良好な付着, 増殖, さらには分化誘導などが要求される. 本研究では, スキャホールドとして最も多く研究されているポリ-L-乳酸 (PLLA) の表面改質を目的として, PLLA表面へのゼラチンの固定化法について検討した. ラジカル開始剤を用いたPLLA-ゼラチン結合反応では十分な固定化量が得られなかったが, アルカリ条件下におけるPLLA-ゼラチン直接固定化法では2μg/cm2のゼラチンの化学的固定化が達成された. 得られたゼラチン固定化PLLAフィルム上において3T3細胞の良好な初期接着が観察され, この直接固定化法がポリ乳酸のバルク特性を変化させることなく, また, 生体埋入時に毒性が懸念されるカップリング試薬も用いない安全な手法であることが明らかとなった.