56 巻 (1999) 9 号 p. 542-549
二官能性開始剤である2,3-ジフェニル-1,3-ブタジェンーマグネシウム (DPB-Mg) 錯体により, 新たに2-ビニルピリジン (2-VP) のアニオン重合を試み, ヘキサメチルポスホルアミド (HMPA) の添加効果, 重合温度の影響, 溶媒の効果, およびリビング性などについて詳しく検討した. HMPAを加えない系では開始反応効率 (f) はテトラヒドロフラン (THF) で0.09, ベンゼン中で0.39であったが, 開始剤に対するHMPA添加量を増やすにつれて改善され, [HMPA] / [DPB-Mg] ≧1でf=0.8 (THF中), 1 (ベンゼン中) となった. この場合の重合は非常に速く, THF中で3分, ベンゼン中で15分以内に90%以上の高収率でポリマー [P (2-VP)] が得られた. 重合温度も重合性に鋭く影響し, 最適温度はTHF中で0℃, ベンゼン中では5℃であると認められた. 得られたポリマーの分子量単分散性は, Mw/Mn尺度で1.4 (THF中), 1.3 (ベンゼン中) であったが, この開始剤によって調製したリビングP (2-VP) は, 連鎖移動や末端の失活が認められず, 設計された分子量をもち単分散性のよいP (2-VP) の合成に適することがわかった.