高分子論文集
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ポリプロピレン射出成形試料の疲労特性に及ぼす圧延加工の影響
邱 建輝川越 誠水野 渡森田 幹郎
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57 巻 (2000) 5 号 p. 255-262

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抄録

本研究では射出成形したポリプロピレンの圧延加工による内部微細構造の変化と材料の低温および高温疲労特性との関連性について検討した. 圧延加工は射出成形した試料の断面における不均一性 (微細構造・硬さ・配向度等) を改善し, 一様の断面になろうとしている. 非圧延試料の疲労試験では室温, 低温とも中間層からき裂が発生し, そのき裂の伝播により脆性的に破断したが, 20, 40%で圧延試料ではほぼ自己発熱によりtan δが上昇 (E′が低下) し, 熱的な破壊を示した. その原因は中程度圧延した試料は疲労繰返し負荷を加えると (1) 2軸配向による分子鎖配向の差, (2) 分子の並進運動性の上昇などにより内部摩擦が生じ, 熱的な破壊を招くことになると考えられる. しかし, 高圧延率 (60%) の場合では結晶が壊され, 断面各層の特性も一様になるため, 変形に伴う分子鎖の配向を促進し, 結果的に弾性的特性ならびに強度の向上を招くと考えられる.

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© 社団法人 高分子学会
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