2001 年 58 巻 2 号 p. 59-65
4種の市販生分解性プラスチックについて, 環境による分解性を評価するため, 土壌, 河川水, 海水や, 下水処理施設の活性汚泥処理槽における分解性を比較した. 分解の進行状態は材料の組成により異なった. 土壌, 河川水, 海水の試験において, 試験環境が畑である場合, 微生物が増殖し分解が進んだ. 下水処理施設の活性汚泥中では, 微生物生産脂肪族ポリエステル, デンプンをブレンドしたポリビニルアルコール (PVA) で分解が起きた. 特に, 前者は微生物密度の影響を強く受け, 密度が高い活性汚泥槽で分解が速くなった. 下水処理施設のエアレーションタンクで生分解性プラスチック廃棄物の処理能力は投入量の50%/年と見積もられた. これについては, 安全性の確認など課題はあるものの, 下水処理施設における廃棄物処理は効果的な手段となり得るものと考えられる.