60 巻 (2003) 10 号 p. 531-538
ピリジニウム基を吸着部位として有する多価カチオン性分子が, 負に帯電したシリカ基板表面に静電的に吸着し, 脱イオン水に対し脱着耐性を示す吸着単分子膜を形成した. 吸着した多価カチオン性分子の光二量化反応や光分解反応により, 吸着膜の脱着耐性の向上や低下が起こることが, 紫外可視吸収スペクトル測定, 接触角測定, ゼータ電位測定の結果から明らかとなった. このようなカチオン性吸着膜の光照射による脱着の抑制や促進は, 光照射による吸着分子1分子当たりの吸着作用点の数の増加や減少に基づくことが示唆された. 光照射による脱着挙動の抑制現象と促進現象を利用して, カチオン性吸着単分子膜のネガ型とポジ型光パターン形成法を提案した. カチオン性吸着膜のパターン形状に従って, 帯電したポリスチレン微粒子を位置選択的に吸着させることができること, さらには, 無電解めっきによる基板表面の選択的金属化を行えることを明示した.