62 巻 (2005) 12 号 p. 585-590
気相成長炭素繊維 (VGCF) により補強されたポリプロピレン樹脂の溶融粘度特性と機械的特性について調べた. 樹脂コンポジット材の特性はフィラーであるVGCFの分散状態によって大きく変わるため, 加熱を伴う予備混合と二軸押出機による溶融混練を行うことで, 分散状態が高く, 物性が一定な樹脂コンポジット材を作製した. 広範囲のせん断速度および樹脂温度において, VGCFを数%添加することでコンポジット材の粘度はマトリックス樹脂の粘度よりも低下する. このような粘度の低下は質量添加率が75%程度まで見られ, それ以上添加すると粘度は急激に高くなる. また, VGCFをわずか0.1%添加することで, 伸び量はほとんど変化しないにもかかわらず, 引張強さが8.5%, ヤング率は11.4%増加することを示した.