62 巻 (2005) 12 号 p. 598-603
難燃剤をナイロン-6, 6に添加した成形樹脂に数種の無機化合物 (ガラスファイバーパウダー, タルク, ベーマイト, 炭酸カルシウム, 疎水シリカパウダーおよびシリカパウダー) をフィラーとして用いたときの難燃性について検討した. 難燃性は無機化合物の物理的・化学的性質に依存し, 難燃剤と相互作用して蒸散温度を高温側に移行させる効果をもつシリカパウダーの添加により難燃性が向上した. 一方, 炭酸カルシウムを充填した場合にはドリップするようになり, 難燃性は低下した. これはナイロン-6, 6の解重合が促進されたためと考えられた. 今回用いた難燃剤は環状骨格を有する有機リン系化合物であり, 難燃効果はコンポジット表面付近での有機リン化合物断片によるラジカルトラップとチャー形成効果の複合によるものと考えられる.